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「技術者がコンサルタント・自営業になる実践方法」人生100年時代の選択肢・・・生涯のライフデザインをそろそろ考えましょう!

更新日:2020年4月13日

第0回:はじめに:連載に当たって:自分の生涯のライフデザインを考えること!

 人の生き方はさまざまです。これが正解といういうものはありません。いろいろな生き方があってかまわないし、多様性もあるから面白いのです。それを前提に、コンサルタントという生き方をたまたましている立場で、技術者の選択肢として生涯のライフデザインを考え見直して整理したのが本連載です。


・技術者の選択肢

 世の中にはコンサルタントという職業が存在します。この職業は特に資格が必要なわけでなく先生と呼ばれ、自分の都合である程度自由な仕事も可能です。また通常はお客に雇われ、主が接待するところを、逆に接待されるという変わった仕事といえます。また費用(収入)としての、時間レートも自由に設定でき、場合によっては弁護士や会計士というれっきとした国家資格の士族よりも高額の報酬を得ることも可能であり、そのようなコンサルタントも多数存在しています。

 ただ、お客に何らかの価値がないと、すぐに仕事は無くなり、継続的な仕事はこなくなるというリスクも抱えているのはもちろんです。だれでもリスクはとりたくない、でも収入は得たいと思うなかで、このようなコンサルタントの仕事がどのように成り立っているか具体的に知る人は少ない。そこで、ここではサラリーマン技術者の解決策(出口)をコンサル業に絞って、その内容となってから気が付くポイントなどを整理して紹介していきます。


・コンサルタントとの遭遇

 ここで、筆者のコンサルタントとしてスタート点となった遭遇経験に触れておきます。筆者自身は工学部金属材料工学科卒業・修士過程を終了後、日本の財閥系製造業の研究所に配属後、新事業立ち上げを経て、各種企画、事業部経営などを経た技術者でしたが、52歳で独立しコンサルタントの会社を立ち上げました。

 在職時代、最初のコンサルタントとの出会いは米国への留学後、新規事業を模索している時でした。米国でのある技術ベースのビジネス展開の2日間のセミナーに出席した時に、その時の講師B氏はもともと技術者でしたが、独立してコンサルタントになった人でした。技術だけでなく、ビジネス全体についても造詣が深く、幅広い知識に刺激を受けました。このセミナーの終了後、すぐに個別にコンサルティングを依頼しました。実際に費用を支払って企画中の新事業展開への相談をお願いした時が、いわゆる独立コンサルタントとのビジネス上の遭遇でした。

 最初は、コンサルフィー(時間単価、レート相談)、コンサルのやり方の相談から始まって、そのビジネス自体に関する技術とビジネス内容のQ&A、可能性の相談などへ広がりました。最終的には日本に来てもらって、このビジネスの展望と可能性を会社の同僚、上層部、企画中の仲間にプレゼンしてもらったのです。今から思えば日本でB氏に同行している時間を使って、聞き出せたのはいわゆる個人コンサルタントの米国でのビジネスモデルだったのでしょう。当時、日本ではそのような独立(個人)のコンサルタントのビジネス形態は身近では見当たらず、B氏のような自立したコンサルタント(〇〇&ASSOSIETES的なやり方)の考え方、や実践方法などを知る絶好の機会だったのです。このような個人コンサルタント展開は米国の中で大変大きな役割を果たしていることを知るとともに、後の日本における一つの方法論にもなるとの確信を得たわけです。

 一方、日本のコンサルタントに最初にお会いしたのは筆者が本社、経営企画部の課長に異動した後で、いわゆるメジャーなコンサルファーム、当時の三菱総研、野村総研、ADL、SRI,さらにCDIなどという大手のコンサル会社に経営戦略、事業戦略、新規事業関係のコンサルティングを依頼した時です。これらのコンサルタントはいわゆる企業に勤めるサラリーマン・コンサルでしたが、組織としての蓄積で仕事をしており、いわゆるデータやフォーマット、プロセスのマニュアルなどがしっかりしていることに感心させられました。しかし一方での気づきは、だれに仕事を頼むかで成果に対する個人差(知的刺激を受けるレベル差)は非常に大きいということがよくわかりました。後日談ですが、このとき優秀だと感じたなコンサルタントは、タイミングはいろいろですが、最終的に皆、独立(自立)していらっしゃいます。まさに生涯のライフデザインを考えることに通じます。


・取り上げた事例の人々と本連載の想定読者:

 本連載では独立(個人)コンサルタントとは何かから始まって、実際に得られるベネフィット(いわゆる自営業の経費、年収などの視点)も定量的に示し比較していきます。特に自立の場合とそうでない(企業にずっと務める、とどまる,定年になる生き方)とも具体的にやりがい、自分の発展性、年収・生涯賃金などの差としても捉えてみようかと思います。

 本連載に出てくるケースでは、色々な経緯でサラリーマン技術者からコンサルタントになった方々ですが、特に50歳以降、人によっては40歳ごろ、遅い人でも60歳の定年前が起点になって、それ以降の人生を、自分で自由に面白可笑しく、経済的に独立しながら生きていたのです。筆者と周囲に実際に存在する10名の元サラリーマン技術者(最初からコンサルタントを志していたわけでもない)の転進のありかたや事例を取り上げて、その要因などを整理してみることにします。このことで、人それぞれにコンサルタントに自立できることを目標にして、その内容を実感をもって掴んでいただくための実情をまとめて整理したものです。さらに具体的には、本書の基軸は定年があるサラリーマ時代は前半戦の修業時代として、本番をコンサルタントとして自立する行き方を対象に描いてあります。

 したがって連載の想定対象読者はまずは本テクノ未来塾に集う技術者の皆さま方で、未来志向型20代ー50代のサラリーマンが主な対象となります。さらに広く、今後の人生をより豊かに、楽しくすることを願って指針をみつけようと思っている技術者すべてです。すなわち、いわゆるサラリーマン社会人、組織に所属して働いているサラリーマン技術者が基本的な対象になっていますが、すでに自立されている方には、さらにいろいろなコメントを頂戴しながら内容を充実させていければと思います。


・著者紹介

 NPOテクノ未来塾の理事を2005年に就任し15年経過中。1974年東北大学大学院工学研究科終了。大手重工業メーカーにて、30年近くにわたり、いくつかの新規事業を産学連携や日米のベンチャー企業と共同で企画段階から立ち上げた。専門は新事業展開のマネジメントやマクロからナノまでの材料加工プロセス、工学博士。

 2004年に株式会社テクノ・インテグレーションを設立、代表取締役社長として、MOT(技術経営)やイノベーションのマネジメント手法を用いて企業むけに開発・事業化のコンサルティングや実践研修を行っている。併任として早稲田大学・東北大学・島根大学・大分大学・香川大学などの客員教授や多数の大学・高専での非常勤講師などで学生、社会人、中小企業・ベンチャー経営者に実践MOTを講義すると共に複数のベンチャー企業の役員、農水省、内閣府、NEDO、JSTなどの各種評価委員などに就任中。

 現在の関心事は、理科少年・少女のこころ(わくわく、どきどき)を持ったイノベーター技術者の発掘、育成、支援と、日本各地に眠っている古代の産業・技術遺産の文化的・技術体験的なツアーと再整理のための貢献と実行。著書多数。


・今後の主要な連載予定目次(案)・・・生涯のライフデザインを考えるよう!

(第一部コンサルタントとは何か:やってわかった技術者の選択肢)

1.コンサルタントの仕事とは:何をコンサルするのか、知識か知恵か意識?

2.コンサルタントを志す技術者のための基本:自立、自営のための考え方

3.コンサルタントの収入と副業、複業化

4.サラリーマン技術者の道をいかしてコンサルタントになる道とは?

5.MBAやコンサルタントの勉強をしないでなる方法:コンサル会社に行く必要は?

6.コンサルタントに資格は必要か:あったほうがよい資格とは何か?

7.コンサルの営業活動とは何か:まずはお客とはだれか?

8.大学教授とコンサルタントの違いは何か;専門性は重要か?何が違うか明確に

9.経営者、担当者とコンサルタントの違い:経営者とコンサルテント

10.具体的な第一歩は何からはじめるのか:技術者がコンサルになるハウツーの整理



(第二部: 10名の実践事例と収入シュミレーション:サラリーマン技術者のコンサル展開パターン)

11-20、(最終回)全体のまとめ


(付録;雑談:自分のケーススタデイ(実体験)とサラリーマン時代に心がけること)

・(自分例)まったくの一人のエンジニアが52歳にして一人コンサルに挑戦

・(自分例)コンサルタント起業前に考えたこと:実体験記録・・・著者の実践事例

・(自分例)15年以上にわたって続いた秘訣とノベネフィットとは何か:顧客価値、社会価値を生んできたか

・(自分例)ファイナンシャル比較:収入と経費、その損得はどのくらいか?

・(自分例)自己整理とPR、本の出版を例にとって

・修業時代(1):社内での動き方

・修業時代(2):社外での動き方

・修業時代(3):自分自身への投資と回収

・人生全体のロードマップの考え方

・ギャップを乗り越える人生のキャッシュフローを考える



以上

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