敗戦のどん底にあって、その責任と力量を発揮した吉田茂首相を得たことが、
その後の日本の発展に大きな救いをもたらした。彼は肝の据わり方が、戦前のリーダー
と異なり、他人にどう思われようと自分は自分、強烈な個をもった為政者であった。
初対面のGHQマッカーサー元帥に静かに語った。「減衰、GHQとはどういう意味
ですか?」。元帥はいやな顔をしながら「ジェネラル・ヘッド・クオーター」と
答えると、吉田は「ああそうでしたか。私はゴー・ホーム・クイックリーと思って
いました」と、真を突いて笑わせざるを得ない教養あるユーモアで返している。
その場の緊張した雰囲気が、一挙に打ち解けたことであろう。
(1)戦後とものづくり産業の復活
(3)自由主義経済を貫いた日向方齊
(4)新日鐵による宝山製鉄所建設の技術協力
(5)自動織機から自動車に転身した豊田喜一郎
(6)2輪から4輪自動車への本田宗一郎の思い
(7)期待された航空機産業発展への挫折